トレーラーハウスの購入にあたり、最も気になるのが「何年住めるのか」という点ではないでしょうか。トレーラーハウスは住居としては安いとはいえ、ある程度の費用はかかります。せっかく購入したにもかかわらず、2~3年で住めなくなってしまえばお金の無駄になってしまうでしょう。
トレーラーハウスには何年住めるのでしょうか。当記事では、トレーラーハウスに住める年数や住居として購入する場合の注意点を解説していきます。
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トレーラーハウスには何年住める?
通常の住宅の場合は、何十年も住むことが可能です。住まいとしてトレーラーハウスを購入する際に気になるのは、何年住めるかという点でしょう。
通常の住宅と同じように、トレーラーハウスもメンテナンスの仕方によって住める年数は変わってきます。定期的にメンテナンスを行い、大切に使用すれば10年以上にわたって使用することも可能です。
一般的には木造住宅の寿命は30年ほどと言われていますので、一般の住宅に比べれば住める年数は短くなります。ただし、車両としてではなく、建築物としてしっかり基礎工事を行えば30年以上の長期での使用も可能です。
トレーラーハウスを住居として購入する際の注意点
トレーラーハウスは「車両扱い」ですが、住宅としての利用も可能です。住宅として使用する場合には、下記の点に注意してください。
- • 設置条件を確認する
- • 搬入経路を確保する
- • 設備や性能を住居用にする
- • 土台の劣化に注意
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
設置条件を確認する
まずは「設置条件を確認する」ようにしてください。トレーラーハウスのサイズはさまざまですが、大型のものになると21畳を超えるものもあります。住居として使用する場合には、余裕を持った広さがあるトレーラーハウスを購入したいところです。
とはいえ、せっかく購入しても、設置場所がなければ住居として使用することができません。既に所有地があればそこに設置できますが、ない場合は賃貸借契約を結んだ土地などを用意する必要があるでしょう。自治体によっては設置できるトレーラーハウスのサイズに制限があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
搬入経路を確保する
次は「搬入経路を確保する」という点です。トレーラーハウスにはタイヤが付いていますが、エンジンは付いていないため自走できません。そのため、購入後は設置予定場所まで、牽引車で牽引して輸送する必要があります。
「牽引車+トレーラーハウス」で移動することになるため、道幅が狭い箇所は曲がり切れません。設置場所まで到達できない可能性があるため、事前に搬入経路を確認しておきましょう。設置予定場所への搬入口が小さい場合も、搬入ができないため注意してください。
設備や性能を住居用にする
住宅として使用する場合には「設備や性能を住宅用にする」必要があります。家族が普段過ごすためのリビングだけでなく、キッチンやトイレ、バスルームといった水回り施設がなければ住居としては利用できないでしょう。
また、断熱性や気密性といった住宅性能も求められます。特に寒冷地であれば、冬でも快適に過ごせるような性能が必要です。新品であればオプションで性能を追加できますが、中古の場合は既に搭載されている設備や機能を確認しましょう。
さらに、快適に使用するために間取りも重要です。使い勝手が良いように、動線を考慮しながら狭いスペースを上手に活用していきましょう。
土台の劣化に注意
最後のポイントとして「土台の劣化に注意」することが大切です。トレーラーハウスは通常の住宅と違い、基礎工事でしっかりと土台を構えていないため劣化しやすいというデメリットがあります。そのうえ、常に雨風に晒されているため、サビや劣化もおきやすくなるのです。
そのため、トレーラーハウスそのものは使用できても、土台部分に劣化が生じることも少なくありません。トレーラーハウスはタイヤのついたシャーシの上に置いて使用するため、タイヤやシャーシの状態も常に確認しておく必要があります。
トレーラーハウスで長く快適に暮らすための方法
せっかく購入したトレーラーハウスですので、少しでも長く快適に使用したいと思うのも無理はありません。ここからは、トレーラーハウスで出来るだけ長く、快適に過ごすための方法を解説していきます。
内装にこだわる
最初のポイントは「内装にこだわる」ことです。通常の自宅と同じように、快適に過ごすためには自分好みの内装にする必要があります。落ち着いた空間にするために、まずはトレーラーハウスのテーマを決めましょう。
壁や床、建具に統一感を持たせることで、全体の雰囲気がひとつにまとまりやすくなります。木目調でナチュラルな雰囲気にするのか、白や黒など好みの色で統一するのかを事前に決めておくと便利です。
また、内装と同時に家具も検討していきましょう。ソファやテーブルなど、使いやすさにこだわった家具を入れることで快適なトレーラーハウスを作ることができるはずです。
出入りしやすいようにする
「出入りしやすいようにする」ことも、快適に過ごすうえで重要なポイントです。トレーラーハウスにはタイヤが付いているため、通常の住宅よりも高い位置に出入口が設置されています。結構な高さがあるため、通常は階段やウッドデッキを設置して出入りがしやすいようにして使用します。
ただし、トレーラーハウスを車両扱いにするためには、すぐに移動できるような状態であることが条件です。そのため、階段やウッドデッキをトレーラーハウス本体に溶接することはできません。簡単に取り外せるような階段やウッドデッキを設置しておくようにしましょう。
定期的にメンテナンスを行う
トレーラーハウスを住居として長く使用するためには「定期的にメンテナンスを行う」ことが必要です。常に雨風に晒されているトレーラーハウスの外壁は、数年に1回ほど補修した方が良いでしょう。これにより機密性や断熱性が高まり、雨漏りや風が入り込むといった事態を防ぐことができます。
さらに、トレーラーハウスの内部のメンテナンスも重要です。水回り設備の水漏れが発生しないように部品を交換したり、排水管の詰まりをチェックしたりといった定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
住居用トレーラーハウス購入後にかかる維持費は?
メンテナンスを含め、トレーラーハウスは購入後も維持費がかかります。主にかかる費用がメンテナンス費用と税金、そして移動費用です。ここからは、住宅用トレーラーハウスに必要な維持費について解説していきます。
メンテナンス費用
トレーラーハウスのメンテナンスには、さまざまな種類があります。まずは「防さび対策」です。特に海に近い場所に設置している場合、潮風に当たりサビやすくなります。防さび対策は3~5年に1回程度、行うようにしてください。防さび対策には30~40万円ほどかかるのが一般的です。
次に必要なのは「雨漏り対策」です。雨漏りしてしまうと、住宅として住むことはできません。防水処理の方法としては、塗り直しや葺き替えといった方法があります。塗り直しであれば50~80万円、葺き替えなら100万円以上かかってしまうでしょう。
また、カビ対策として定期的にクリーニングをしておくことも大切です。除湿シートや炭など、除湿効果の高いアイテムを使用することで、カビを最小限に抑えていきましょう。
税金
トレーラーハウスは「車両扱い」となるため、不動産取得税や固定資産税はかかりません。ただし、先述したように車両扱いとするためには「随時かつ任意に移動できる」ことが条件です。階段やウッドデッキを溶接してしまったり地面に定着させてしまったりすると車両扱いとはならず、建築物となってしまうため固定資産税がかかってきます。
車両扱いにはなりますがエンジンが付いておらず自走できないため、自動車所得税や重量税、自動車税といった車の税金もかかりません。
また、現行法ではトレーラーハウス自体にかかる税金はないので、一般の住宅や車に比べると維持費をかなり抑えることができるでしょう。
移動費用
トレーラーハウスのメリットのひとつが、簡単に移動させることができるという点です。トレーラーハウスにはタイヤが付いているため、牽引車で牽引すれば全国どこへでも移動させることができます。
ただし、トレーラーハウスを動かすためには牽引免許が必要です。普通免許では牽引できないため、牽引免許を取得するか牽引免許を持った業者に依頼しなければなりません。トレーラーハウスのサイズや移動距離によって費用は変わってきますが、50万円近く移動費用がかかることもあるので事前に確認しておくようにしましょう。
まとめ
トレーラーハウスに何年住めるかどうかについて、詳しく解説してきました。一般の住宅に比べると耐久年数は低いですが、メンテナンスを定期的に行うことで20年以上使用し続けることも可能です。
トレーラーハウスを住宅として長く快適に過ごすためには、気密性や断熱性といった住宅性能を高くしておく必要があります。また、水回りや外壁、屋根を定期的にメンテナンスすることで長期間使用することができるでしょう。せっかく自分好みのトレーラーハウスを購入するのですから、メンテナンスを行ってできるだけ長く住めるようにしていきましょう。