トレーラーハウスの購入を検討する際に、様々な費用や税金はいくらかかるのかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、トレーラーハウスの費用は、用途により大きく変動してピンキリです。ここでは、基本情報としておさえておきたい、一般的なトレーラーハウスの費用や税金などについて紹介していきます。
※本記事は2023年5月時点の制度や内容を反映しております。各制度については今後変更となる可能性もありますので、購入時には最新情報をご確認ください。
Contents
車両のタイプ
トレーラーハウスは、車検付トレーラーハウス(小型)と大型トレーラーハウス(大型)の2種類に分けられます。それぞれの特徴についてみていきましょう。
車検付トレーラーハウス
車検付トレーラーハウスは、一般的な“自動車”と同じ扱いとなるもので、全幅2.5m未満、全高3.8m未満、全長12m未満の大きさがこれに該当します。
車両扱いなので、公道をいつでも自由に移動することができます。
トレーラーハウスはエンジンを搭載しないので、移動の際には他の車両でけん引することになりますが、トレーラーハウス本体が750キロ未満の重量ならば、けん引する側の車両を運転する方のけん引免許は必要ありません。
自家用車でも引く事ができますから、キャンピングカーのような使い方をする事もできます。
大型トレーラーハウス
大型トレーラーハウスは、全幅2.5m、全高3.8m、全長12mのいずれかを超えた大きさのトレーラーハウスを指します。
小型と違い、気軽にけん引することはできず、移動の為に公道を走る場合には「特殊車両通行許可」「基準緩和認定」という2つの許可を取る必要があります。
これらの許可が下りてはじめて、けん引されて公道を走り移送が可能となりますが、指定された時間帯や運行速度を守る必要があります。
サイズが大きいので、基本的には業者に依頼して運んでもらうことになります。
トレーラーハウスの本体価格
トレーラーハウスを購入するにあたって最も大きな費用が「本体価格」ですが、これが車両によりかなりの費用幅があります。本体の価格は、大きさ、内装、年代などにより全く異なるためです。
新車購入
例えば、室内に何もない状態のトレーラーハウスで小型のものならば250万円〜500万円ほどで新品を購入することができます。
キッチン、トイレ、シャワーなど、各種設備が設置されていれば、500万円〜1000万円以上のものまで、相応の価格となります。
中古購入
トレーラーハウスは中古市場も盛り上がっており、比較的状態の良いものを中古で安く購入することもできます。事業用で購入されたものなど、設備が設置済みのタイプもあり、ニーズとマッチした車両に出会えればかなりお得に手に入れる事もできます。
サイズの小さいシンプルな車両なら100万円台で購入できる場合もあります。
しかし、中古車の場合は家庭用乗用車と同じようにリサーチを欠かさない事をオススメします。
中古の場合、なんらかの原因で壁や天井などが傷んでいたり、それにより雨漏れが起こったりする恐れもあるからです。オークションサイトや個人用売買サイトなどでトレーラーハウスが販売されているケースも多くみられますが、写真や説明文だけでは判別するのは危険です。もし利用するなら、持ち主にしっかりと状態を聞くべきでしょう。
トレーラーハウスメーカー自体が自社サービスで中古を扱っているところもあります。こういったサービスを利用する場合には中古商品を専門スタッフがメンテナンスしたものを購入することができますから、比較的安心と言えるでしょう。
オプション費用
参考までに、トレーラーハウスの本体価格に加えてオプションとしてかかる費用の一例を紹介します。
- ・内装、外装の色
- ・土足対応のフローリングにする
- ・キッチン、トイレ、浴槽等の設置
- ・片開きドア、スライドドアを設置
- ・コンセントの設置
トレーラーハウスの本体価格は、求める機能や用途により変動すると言えるでしょう。
トレーラーハウス購入後の費用
トレーラーハウス本体の価格の目安や特徴について紹介しましたが、ここからは実際にトレーラーハウスを購入した後にかかる費用を具体的にみていきましょう。
運搬費用
運搬費用は、工場から設置場所までの距離や、設置場所の環境などでも価格が変化します。
新品購入や、中古でもトレーラーハウス取扱店での購入の場合には、販売業者が運搬~設置まで手配を行います。
運搬費用の構成は<基本料金><距離別料金><出張費>となることが一般的です。
基本料金
大型だと20万円、小型だと5万円ほどが目安です。
公道の走行車両が少ない夜間から早朝にかけて運搬が行われる事が多く、大型のトレーラーハウスの場合には先導と後方の安全確保用の車両が2台設置されます。
小型だと安全確保車両は不要であり、費用も下がります。
距離別料金
距離別料金は、各メーカーや距離により料金が大きく変動します。
下記の料金表は大まかな目安です。
距離 | 10km | 50km | 100km | 300km | 500km | 800km | 1000km |
---|---|---|---|---|---|---|---|
小型料金 | 9,000 | 45,000 | 90,000 | 270,000 | 450,000 | 720,000 | 900,000 |
大型料金 | 17,000 | 85,000 | 170,000 | 510,000 | 850,000 | 1,360,000 | 1,700,000 |
小型と大型では、倍近く料金が変わることがわかります。
大型トレーラーハウスだと、特殊車両通行許可の申請料、基準緩和認定取得費用も別途必要になりますので注意しましょう。
出張費
長距離の輸送の場合は、宿泊費と超過費用が別途加算される場合があります。
例として、大型で移送距離が200kmを超える場合は移送の途中で宿泊する必要があり、作業員約3名分の宿泊費と超過費用がかかることになります。
小型の場合でも、400kmと長距離になれば出張費がかかります。出発地となる工場の場所~設置場所までの距離となりますので、予め出発地点を確認しておくと良いでしょう。
設置費用
トレーラーハウスが指定の場所に届いたら、車両をその場所に設置するのにも費用がかかります。
トレーラーハウス本体は基本的に数トンの重さがあるので、設置するには専用の重機が必要です。
その他、ジャッキと呼ばれる台を車両の下に置き固定するなど、それなりの手間と費用が発生する事を承知する必要があります。
トレーラーハウスは、車両条件や設置条件によって「車両」扱いとなるか「建築物」扱いとなるかが異なりますが、固定資産税の支払いを避けるためには「車両」扱いにする必要があります。この為には以下の通り設置基準が設けられています。
- ・車輪が取り外されていないこと。また車輪が走行できる状態に保守している。
- ・車輪以外の物(ジャッキ等)で地盤上に固定されている。その固定している機器が工具なしで取り外せること。
- ・トレーラーハウスの進行方向に固定された障害物がないこと。
- ・トレーラーハウスの設置場所から公道へのルートが確保されている。
- ・階段、デッキが独立しており、トレーラーハウスの移動に支障がない規模、構造であること。
- ・給水管、排水管、電気配線、通信回線の接続が工具なしで着脱可能であること。
- ・ガスボンベがトレーラーハウスに積載されているか、またはレンチのみで着脱できること。
- ・エアコン等の室外機がトレーラーハウスに積載されていること。
- ・適法に公道を移動してきたことを公的な書類で証明できること。
↑これらの条件をクリアするための設置費用が必要になる事も把握しておくようにします。
個人間取引の場合は設置業者に依頼する必要性が生じますが、販売メーカーからの購入であれば設置まで一連でサポートしてくれる場合が多いので、設置込の費用で見積もってもらえると安心です。
維持費
トレーラーハウスを購入後に発生する「維持費」についても確認しておくと安心です。
先にお伝えした通り、トレーラーハウスは車両本体や設置条件によって「車両」扱い「建築物」扱いの2通りに分けられます。
車両扱い
各種条件をクリアして車両扱いで設置する場合には、「自動車税」「車検」に費用がかかります。一般的な自家用車を所有しているのと同様のイメージで維持費を算出できれば良いでしょう。
トレーラーハウス本体は自走できませんから、ガソリン代は必要ありません。
建築物扱い
建築物扱いになる場合、基本的には、一般的な「住宅」と同様の維持費がかかる事になります。
「電気」「ガス」「水道」といったライフラインは公的なものを引きますから、基本使用料に加えて月々の使用料の請求があります。
その他にも、住宅と同様に「外装」「内装」の修復や、ドアやフレームの歪み、あるいは搭載している設備の修理等も発生する場合があります。
住宅と同じ作りなので、メンテナンス方法も同じです。
トレーラーハウスの税金
「車両」「建築物」それぞれのトレーラーハウスにかかる税金をそれぞれ見てみましょう。
車検付きトレーラーハウスの場合は、自動車の扱いとなり車検の取得が必要なので、自動車税、自動車重量税などがかかります。
対する大型トレーラーハウスは、「建築物」の扱いとなり車検の取得は必要ないため、車の税金はかかりません。
そのかわり、不動産の税金である固定資産税や不動産取得税が必要となります。
固定資産税は、毎年1月1日時点で家や土地などの固定資産を所有している人にかかる税金であり、不動産取得税は不動産の取得時にかかる税金です。
まとめ
ここでは、トレーラーハウスの購入~維持にかかる費用について代表的なものを紹介しました。
トレーラーハウスは、車両にもなるし建築物にもなり、用途も多様で非常に活用の幅が広い便利な空間として人気が高まっているアイテムです。
色々な仕様がありますから、基本情報を理解した上で予算やランニングコストなども考慮の上、ご自身のニーズに合ったものを選択して購入してくださいね。