トレーラーハウスの価格はいくら?

近年では、トレーラーハウスの人気が急上昇しています。快適にキャンプ生活が楽しめるアイテムとして、気になっている方も多いのではないでしょうか。とはいえ、トレーラーハウスの値段やキャンピングカーとの違いなど、基本的な知識がないと購入には踏み切れません。

そこで当記事では、トレーラーハウスの価格やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。トレーラーハウスが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

そもそもトレーラーハウスとは?

トレーラーハウスとは

そもそもトレーラーハウスがどのようなものなのか、名前は聞いたことがあっても詳しくは分からないという方も多いことでしょう。まずは、トレーラーハウスの概要やキャンピングカーとの違いについて、分かりやすく解説していきます。

トレーラーハウスの概要

トレーラーハウスとは、タイヤが付いた「シャーシー」というフレームに乗った建造物のことです。家のように生活ができますが、扱いは「車両扱い」です。ただし、サイズ制限があり、道路を牽引できるのは「車幅2500mm・車高3800mm・車長12000mm」未満となります。

日本での知名度が上がってきたのはここ最近ですが、アメリカでは約80年の歴史があります。事務所やセカンドハウスとして、さまざまな活用方法をされてきました。水道や電気を引き込めるため、テントやコテージよりも快適に過ごしやすいため日本でも注目を集めています。近年では、震災時の仮設住宅としても使用され、認知度も急上昇しました。

また、キャンプ場に設置されているところも増えており、購入しなくても体験できる施設が増えてきています。

キャンピングカーとの違い

トレーラーハウスは家のように生活ができる車両ということで、キャンピングカーと間違われることも少なくありません。キャンピングカーはエンジンを搭載しており、公道を走ることができます。しかし、トレーラーハウスはエンジンが付いていないため、自走することができません。

移動させるためには、車に連結させて牽引しなければならないのです。そのため、手軽に各地を移動しながら使用したい人にとっては、キャンピングカーの方が向いています。トレーラーハウスは移動も可能ですが、基本的には移動先で住宅や事務所として長期で使用する人向けの車両といえるでしょう。

また、一般的なサイズのキャンピングカーであれば普通免許で運転できますが、トレーラーハウスをけん引するためには「牽引免許」が必要です。

トレーラーハウスの価格はいくら?

トレーラーハウスの価格

「トレーラーハウスは値段が高そう」と思われる方も少なくありません。トレーラーハウスの価格について、新品と中古に分けて具体的に紹介していきます。

新品のトレーラーハウスの値段

新品のトレーラーハウスの場合、価格はかなり幅広くなります。こだわりもなく、事務所として使用するようなシンプルなタイプであれば価格は400~500万円程度で購入できるでしょう。

しかし、キッチンやトイレ、お風呂など生活に必要な設備を入れるとなると、800万円前後はかかります。さらに、飲食店などに使用する場合は、壁材や床材にこだわる方も多いでしょう。断熱性能を高めるなど、住宅性能にこだわった作りのトレーラーハウスを購入するとなると1000万円を超えるものもあります。

中古のトレーラーハウスの値段

中古のトレーラーハウスであれば、新品に比べて安価に購入することが可能です。前の保有者が付けていた設備や備品があれば、そのまま使用することもできます。状態や設備によって、中古トレーラーハウスの価格はさまざまです。

安いものであれば150万円以下で購入できるものもあります。水回りの設備機器やロフト付きのトレーラーハウスでも470万円と、かなりリーズナブルに購入できることもあります。

ただし、トレーラーハウスの中古は滅多にないので、自分に合った中古車両が見つかるのは非常にレアなケースといえるでしょう。

トレーラーハウスのメリットは?

トレーラーハウスのメリット

トレーラーハウスを使用するメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

  • • コスパが良い
  • • 快適に過ごすことができる
  • • 移動や撤去が簡単

ここからは、トレーラーハウスのメリットを具体的に解説していきます。

コスパが良い

「高そう」と思われがちなトレーラーハウスですが、実はコスパが良いというメリットがあります。トレーラーハウスは「車両扱い」であるため、住宅などの不動産とは異なります。そのため、住居として使用する場合でも、不動産取得税や固定資産税はかからないのです。ただし、完全に地面に設置させて使用する場合は建物扱いとなるため、不動産取得税や固定資産税が課されます。

さらに「車両扱い」ではありますが、エンジンが付いておらず自走もしないため「自動車税」もかかりません。ただし、サイズによっては自動車税や重量税、自動車取得税などがかかることもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。

さらに、頻繁に旅行やアウトドアをする人であれば、通常のホテルやコテージに宿泊するよりもコスパが良くなります。

快適に過ごすことができる

トレーラーハウスは一般住宅と同様に電気・ガス・水道といったインフラを引き込むことができるため、快適に過ごすことが可能です。キッチンやトイレ、冷蔵庫やエアコン、バスルームなど普通の住宅と同じ設備や家電を設置できるので、生活に困ることもありません。

スペースには限りがありますが、二段ベッドや可動式ソファなどを活用することで快適に過ごすことができるでしょう。寒い時期や暑い時期でも、エアコンを使うことで問題なくキャンプを楽しむことができます。

移動や撤去が簡単

最後のメリットは「移動や撤去が簡単」にできるという点です。タイヤが付いているので、牽引車さえあれば全国どこでも移動させることができます。通常の家であれば移動させることができませんが、トレーラーハウスであればどこへでも引っ越しができるのです。新しい土地でも住み慣れた環境で過ごすことができるので、精神的負担も軽くなります。

また、不要になった場合でも、手軽に中古で販売することができます。日本全国に運ぶことができるので、買い手の幅も広がります。取り壊しのコストや手間もかかりません。

トレーラーハウスのデメリットは?

トレーラーハウスのデメリット

トレーラーハウスのデメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

  • • 車高が高い
  • • スペースに限りがある
  • • 牽引にお金がかかる

ここからは、トレーラーハウスのデメリットを詳しくみていきましょう。

車高が高い

最初のデメリットは「車高が高い」という点です。トレーラーハウスにはタイヤが付いているため、通常の住宅よりも入口が高いところに設置されています。そのまま入るのは難しいので、入口前には階段やウッドデッキを設置して使用するのが一般的です。

足腰に不安のある方や高齢者の場合は、出入りのたびに階段の上り下りをすることが負担に感じる可能性もあります。

さらに、トレーラーハウス自体に階段を溶接すると、建築物としてみなされてしまうため独立して使用しなければなりません。安定感に欠けるため、使用時には注意が必要です。

スペースに限りがある

「スペースに限りがある」というのも、トレーラーハウスのデメリットです。アメリカでは10m超えのトレーラーハウスも存在しますが、道幅も狭い日本ではトレーラーハウスにサイズ制限があります。車検取得タイプと車検取得ができないタイプがありますが、通常の車検取得タイプのサイズが「車幅2500mm・車高3800mm・車長12000mm」です。

トレーラーハウスにはタイヤが付いているため、もちろん2台重ねて使用することはできません。室内を広く使うにはロフトなどのオプションを付けることもできますが、複数人で暮らす住居としては狭く感じてしまうでしょう。

牽引にお金がかかる

最後のデメリットは「牽引にお金がかかる」という点です。トレーラーハウスを牽引するには「牽引免許」が必要です。通常は牽引免許を持っていないので、業者に牽引を依頼するのが一般的でしょう。

ただし、トレーラーハウスの牽引にはかなりの額が必要になります。トレーラーハウスの大きさや移動距離によっても変わりますが、一度の運搬で数十万円かかることもあるので注意しましょう。特に車検取得できないタイプの大型トレーラーハウスは、一般のトレーラーハウスに比べて約2倍の運動費用がかかってしまいます。

トレーラーハウスの移動方法や設置方法は?

トレーラーハウスの移動方法や設置方法

ここからは、トレーラーハウスの移動方法や設置方法を具体的に解説していきます。トレーラーハウスの購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

ヒッチメンバーを使って移動させる

トレーラーハウスは自走できないため、別の車を使って牽引する必要があります。牽引する車を「ヘッド車」と呼びますが、ヘッド車とトレーラーハウスを連結させるために必要なのが「ヒッチメンバー」というアイテムです。

ヒッチメンバーは製品によって耐荷重が異なりますので、自分のトレーラーハウスの重さ以上の耐荷重のあるものを選びましょう。できるだけ耐荷重の大きなものを選んで置くと、将来的にもっと大きなトレーラーハウスを使うようになったとしても安心して使用できます。

純正オプションがある車もあるため、トレーラーを購入する際には販売店でヒッチメンバーについて相談しておくようにしましょう。

設置場所は規定がない

トレーラーハウスの設置場所については、特に規定はありません。市街化調整区域や農地に一般住宅の建設はできませんが、トレーラーハウスは「車両扱い」なので一般住宅が建設できない地区に設置することも可能です。

とはいえ、自治体によっては設置場所が制限されていることがあるので、事前に確認しておくようにしましょう。

また、トレーラーハウスは重量があるため、地盤が柔らかいところには設置できません。一般住宅のように地盤工事をしないため、地盤が柔らかいと沈んでしまう可能性があるため注意しましょう。

電気・水・ガスはすぐに着脱できることが条件

トレーラーハウスは電気や水、ガスといったインフラを引き込むことができますが、「随時かつ任意に移動できる」といった接続が条件です。工具を使わずに取り外しができなければならないため、専用のライフラインの配線や配管の接続部品を使用するようにしましょう。

また、ガスはいつでも着脱できるようにプロパンガスを使用しなければなりません。都市ガスは、ガス漏出によるリスクが高いためです。プロパンガスはタンク容量に限りがあるため、定期的な交換が必要になります。

まとめ

トレーラーハウスの価格まとめ

「シンプルな生活」が注目されている現代において、トレーラーハウスの人気は年々高まってきています。移動やDIYも楽しめるので、コストを抑えながら自由に自分らしく生活することができるでしょう。

とはいえ、国土や道幅が狭い日本では、トレーラーハウスにもさまざまな制限があります。十分な知識がないまま購入し、自治体から撤去を命じられたケースもあるため注意が必要です。購入後に後悔することのないよう、事前にサイズや制限等を確認しながら選ぶようにしましょう。

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