ここ数年で特にこのワードを耳にする機会が増えてきました。「SDGs(エスディージーズ)」とは、持続可能でよりよい世界を目指すという国際目標です。
このSDGsを実現していくためのサスティナブルなツールの一つとして今、トレーラーハウスが注目されています。
Contents
「SDGs」
「エスディージーズ」という言葉をよく耳にするようになりました。なんとなく“環境に良い事”“エコな事”などといったイメージは持てるかもしれませんが、具体的には一体どのような取り組みなのでしょうか。
SDGsとは
日本の外務省のホームページにある「SDGs」の説明には、「持続可能な開発目標」「2030年までによりよい世界を目指す国際目標」と記載があります。
「Sustainable Development Goals」の略で、“持続可能な”という意味の“サスティナブル”がポイントとして挙げられる事も多くあります。
2015年に開催された国連サミットにおいて加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載のある内容で、世界全体で取り組むべき課題として認識されています。
持続可能な社会とは
SDGsで目標とされる「持続可能な社会」は一体どのようなものかという点を簡単に説明すると、地球環境や自然環境が適切に保全されており、将来の世代が必要とするものを損なわずに現在の世代の要求を満たすような開発が行われている社会を指します。
日本の取り組み
SDGsな世界を実現させるため、日本でも具体的な取り組みが多くスタートしています。総理大臣を本部長として設置している「SDGs推進本部」から発表されている“SDGs実施指針”では、以下のような8つの優先課題が挙げられています。
- ①あらゆる人々の活躍の推進
- ②健康・長寿の達成
- ③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
- ④持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
- ⑤省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
- ⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
- ⑦平和と安全・安心社会の実現
- ⑧SDGs 実施推進の体制と手段
これらの課題をはじめ、国や多くの企業がSDGsをテーマに様々な取り組みを行っています。
トレーラーハウス
SDGsについて概要を紹介しましたが、持続可能な社会に「トレーラーハウス」がどのように関わりがあるのか、正直ピンとこないという方も多いのではないでしょうか。しかし今、このトレーラーハウスがサスティナブルなものであるとして注目を集めているのです。
トレーラーハウスとは
トレーラーハウスとは、道路運送車両法で定められた「自動車」の一種です。
箱型の空間で、サイズやデザインは様々。エンジンは搭載しておらず自走する事はできませんが、車輪がついているので別の車両による牽引で簡単に移動することが出来ます。海外では通常の住居同様に使用されている実績も多く、別名「モービルホーム」とも呼ばれています。
トレーラーハウスの用途
段々とその存在が知られるようになってはきたものの、まだまだ一般的に浸透しているとは言い難いのが現状であり、実際のところトレーラーハウスが“何に使われているのか”というイメージはつきにくいかもしれません。
では、具体的にどのようなシーンでトレーラーハウスが活用されているのか、その具体例を見ていきましょう。
住居利用
海外でトレーラーハウスといえば「住居」とイコールです。日本でも、個人購入の場合に最も多い用途は別荘やセカンドハウスといった住居用です。サイズが豊富な上、ログハウス風の見た目のものやデッキ拡張の仕様にも対応できるタイプなど、環境や好みに合わせてカスタマイズする事が出来ます。
キャンピングカー利用
コロナ禍で需要が高まっていることもあり、「キャンピングカー」として利用されるケースも増えてきています。サイズにもよりますが、普通車両でも牽引できる手軽さとデザイン性、空間利用の柔軟性などから購入者が増えてきています。家ごと旅行に行けるような、そんな使い方が出来る点が魅力です。
事業利用
トレーラーハウスは、サイズやデザインも豊富でありキッチンやトイレ、シャワールームなどの設備も整える事が出来ます。電気・ガス・水道などのライフラインは公共の設備を利用する事ができますので、不動産物件を借りるよりも気軽に手軽に事業を始める事が可能です。
「飲食店」「美容院」「ネイルサロン」「宿泊施設」「教室」など、個人事業としても数々な用途に活用する事ができます。
災害活用
トレーラーハウスが広く知られるきっかけにもなったのが「震災」です。被災地では仮設住宅としてトレーラーハウスが活用されました。建築物ではなく車両の扱いなので、通常であれば建築物を建てる事のできない「市街化調整区域」といったエリアにも設置できる点もポイントですし、目的の用途が終わればまた別の場所へと移動する事が出来ます。
SDGs×トレーラーハウス
「SDGs」「トレーラーハウス」それぞれの特徴について紹介してきましたが、では具体的にこれらがどのような相乗効果をもたらすのでしょうか。
持続可能
「SDGs」と「トレーラーハウス」のそれぞれの特徴として最も合致するのが“持続可能”であるというポイントです。SDGsが目標とするのは「持続可能な社会」であり、警鐘を鳴らす環境問題や資源枯渇に対応する取り組みを推奨しています。
先のトレーラーハウスの用途を振り返ってみましょう。大地震の被災地に作られた仮設住宅のうち、トレーラーハウス以外のプレハブタイプのものなどは、震災から10年を期に取り壊しとなったそうです。これがもしトレーラーハウスなら、解体せずとも牽引で簡単にまた別の場所で活用することが可能なのです。一つのものを長く使う事が出来るという点は間違いなくSDGsな一面と言えるでしょう。
エネルギーの利用
トレーラーハウスには様々な設備を設置する事ができますし、公共のライフラインを引く事で一般家庭と同様に不便なくエネルギーを利用することが可能です。誰でも不便なく利用できるような仕様であるという点もポイントですが、例えばトレーラーハウスの屋根に太陽光発電パネルを設置した場合はどうでしょうか。雨水を貯水して浄化する設備を設置する事も出来ます。
持続可能なエネルギーを活用する事が出来るという点はSDGsの主要項目でもあり、それを実現できる仕様であるというのは非常に魅力的と言えるでしょう。
事業活用のススメ
トレーラーハウスは、個人的に購入して個人的な目的で活用する事もできますが、是非今から始めたいのは、事業としてのトレーラーハウス活用です。
SDGsな社会の実現にマッチしたその魅力を存分に活用する事が出来るのではないでしょうか。
事例①(キャンプ場経営)
新型コロナウイルスの影響もあり、令和に入ってからは特にキャンプ人気が急上昇しています。キャンプ場の集客率は高く、新規参入でもすぐに実績が出ると話題の事業です。
そんなキャンプ場経営にはトレーラーハウスが非常にマッチしています。「グランピング」のスタイルで気軽にキャンプを楽しみたい若者や小さなお子様をお連れのご家族利用も多いので、そういったニーズに対応できるような“快適なキャンプ空間”を実現できるのもトレーラーハウスの魅力です。
初期費用もそれほど高くなくメンテナンスも簡単なトレーラーハウスだからこそ、事業利用でメリットを発揮します。
事例②(シェアオフィス)
キャンプ事業に次いでトレーラーハウスの魅力を活かした事業として注目されているのが、シェアオフィス運営です。
リモートワークが増えて会社に出社しないという働き方がメジャーになってはきましたが、会社でもなく自宅でもない別の空間で働きたいというニーズはどんどん高まってきています。小さなトレーラーハウスを複数設置して完全個室型のオフィスをいくつも管理する事もできますし、広さのあるトレーラーハウスで内装を工夫する事でシェア型のオフィス空間を作る事も出来ます。市街化調整区域に設置できるので、土地にかかる費用も抑える事ができますし今注目の事業と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。ここでは、話題の「SDGs」においてその魅力が注目される「トレーラーハウス」の特徴や活用例について紹介してきました。具体的な取り組みが国として、会社としても注目される、これからの社会に必要なテーマです。個人単位で、また新規事業のスタートとしても、トレーラーハウスが果たす役割は今後更に大きくなり注目を集める事に違いありません。